もう一人で悩まない。夫婦二人三脚の不妊治療。

不妊症の原因や治療法、そして治療費や自治体サポートなどを詳しく説明。

不妊治療費は高額になる?知っておきたい控除と助成について

今、日本では一部の年齢の女性に、不妊治療の助成金が支払われます。どうやって利用できるのか、どういった人が対象なのか、それを紹介していきましょう。

 

不妊治療の費用は治療内容によって大きく変わる

かつて妊娠・出産・不妊治療は「病気ではない」ということで、保険適用にはならないということが、当然のようになっていました。

 

しかし、不妊症に悩む男女は多く、それは日本が今抱える「少子化」にも関与していることが明らかになっています。それでも日本は高齢化の影響で膨大になっている医療費をこれ以上増やすことは難しく、不妊治療に対して充分には取り組めていません。

 

今の60代70代の世代が仕切っていた日本の医療保険は、こういった背景を見据えて計画を立てることができず後手に回っているのが現状です。

 

【治療法別】不妊治療費の目安

〇タイミング法

病院であらかじめ超音波検査や尿検査などで排卵日を予測し、排卵のタイミングをあわせてセックスをし、自然妊娠を期待します。男性の精子にも異常がないのに、不妊の原因が良くわからないという場合、最初に行う方法です。

約半年程度続けてみて、次の治療法、例えば人工授精などを検討することが多いです。

1周期あたりの費用と妊娠率は、費用が5,000円~20,000円と比較的安い費用で取り組めます。妊娠率は5%~6%になります。比較的高い確率ですので、まずはこちらから挑戦してみましょう。

この場合の超音波検査は、月1回は保険適用になります。排卵の状態によって薬剤などの服用もあり、それによって金額が変わってきます。

 

〇人工授精法

排卵のタイミングにあわせて卵子を採取します。濃縮などの処理をした精子を子宮内に注入して自然に妊娠することを待ちます。

人工的に精子を子宮に注入するだけで、その後の受精や着床は自然妊娠と同じ流れになります。人工授精は保険適用外で、さらに人工授精のタイミングを合わせるために、超音波検査が数回必要となるため、費用の負担が上がってきます。

1回の人工授精で、10,000円~30,000円ほどになります。1回の人工授精での妊娠率は7~9%ですが、数回繰り返したり排卵誘発剤の使用で25~30%の確率になります。

 

〇体外受精、顕微授精法

受精までのプロセスを人工的に対外で行います。そのため、女性が高齢で妊娠を早めたい夫婦にすすめられます。

女性の体から卵子を取り出して、男性側から採取した精子と専用の容器で受精させ、その授精卵を女性の体にもどします。顕微授精は顕微鏡下で卵子の中に精子を直接挿入します。

体外の授精は約30万円~60万円、妊娠率は30%~45%となります。体外受精は保険適用外になるため全て自己負担となり費用もかかります。

顕微授精や胚盤胞移植といった特別な方法で行う場合、費用も高くなります。

 

〇不妊症の原因と治療

不妊症の原因は、卵巣機能不全・子宮筋腫・無精子症など20以上あります。不妊治療をする前に、はっきりとした原因がある場合は、そちらの治療が必要な場合もあります。不妊の原因と治療がある場合は、まずそちらの費用が別途必要となります。

ただし、治療費の金額はあくまで目安で、金額は施設によって異なります。

 

不妊治療は不妊治療助成金と医療費控除の対象になる

不妊治療は、人工授精や体外受精などで、年間数十万円から数百万円かかることがあります。

今、30代前半の男性の平均年収が350万円、女性が230万円、30代後半で男性の平均年収が450万円、女性が320万円となっています。夫婦共稼ぎでも、30代後半でも800万円を超えてれば平均以上となります。

中には、不妊治療のために、女性が仕事を控えたり正規雇用の仕事を辞める人もいます。そのため、夫婦共稼ぎの場合でも、不妊治療はかなりの負担になります。

そこで、夫婦の年収が730万円に達していない場合には、国では妻が39歳までに不妊治療の初回を始めた場合は6回まで、43歳までなら3回まで、1回につき30万円を限度額とした助成金を行っています。

こういった取り組みは東京都だけでなく埼玉県や神奈川県でも行われており、1人でも多くの不妊症に悩む夫婦の手助けや少子化の改善の一貫として行われています。

しかし、43歳を超えた妻に対しては、助成金の適用はありません。どうして?と思われるかもしれませんが、40歳を超えた段階で妊娠の確立がかなり低くなり、43歳を超えてしまうとさらに低くリスクが高くなってしまうからです。

また、不妊治療は年度末に税務署に申請する「医療費控除」の対象になります。医療費控除は原則、年間10万円を超えた分、所得税から還付されます。領収書を全て必要な書類と共に提出することで、対象となります。

医療費控除には通院費や服用した薬剤の費用も対象になりますので、タクシーを利用した際は、領収書をもらっておくことをお勧めします。

 

不妊治療助成金と医療費控除の申請法

不妊治療助成金は各都道府県で行っています。東京都では「東京都不妊治療費助成事業のご案内」というサイトで詳細を見ることができます。

また、こちらはダウンロードして、書面でじっくりと見られるようになっています。この他にも提出書類チェックシート、申請書類等全てホームページからのダウンロードが利用できますので、都の窓口に来庁する必要なく、申請書類を用意することができます。

必要書類が整い次第東京都では郵送での受付になります。郵送先は下記の住所になりますので、都内在住の方は参考にして下さい。詳しくは「東京都」のホームページを参照してください。

郵便番号163-8001

東京都新宿区西新宿二丁目8番1号

東京都福祉保健局少子社会対策部家庭支援課母子医療助成担当

(東京都庁第一本庁舎28階)

 

こういった事業は、都内だけでなく全国の都道府県で行っています。

埼玉県では「こうのとり健診事業費」として、埼玉県内在住の妻の年齢が43歳未満のご夫婦を対象に、不妊検査費を2万円まで助成しています。埼玉県では各保健所が窓口になり、詳細の説明や申請を行っています。

 

ただし、こういった助成金が適用されるのは各都道府県の指定した医療機関を利用する場合になります。評判が良い医師にかかりたいと他府県の病院を利用すると、対象外になることもあります。

しっかりと、地元の自治体のホームページを確認してから、不妊治療に取り組んで下さい。

「医療費控除」を利用する場合は、年はじめにもらう源泉徴収票と治療にかかった全ての領収書を提示します。もちろん、不妊治療以外のものと合算できますので、家族全員の領収書を含めて10万円以上が、控除の対象となります。

初年度は地元の税務署や、自治体が2月頃に開催する確定申告の受付で書類を提出します。次年度からは、ネット申請のE-taxを利用できますので、ネットに強い人はこちらをご利用下さい。

領収書の他にマイナンバーカードや印鑑、還付してもらう銀行の口座番号が必要になりますので、あらかじめ国税庁のホームページで確認しておくと良いでしょう。

また、早めに申請をしたいと1月~2月初めに税務署へ行くと、自営業の人の申請と重なり混雑します。医療費控除は3月末まで受けていますので混雑を緩和したい場合は、こういったことも市の広報誌などを確認すると良いでしょう。

 

まとめ

不妊治療は高額な費用がかかります。いくら助成金などを利用しても最終的には子ども一人分の費用が掛かった、という人も多くいます。

また、排卵誘発剤の使用で多胎児になる確率も高くなります。母親が30歳を過ぎて双子の場合、不妊治療を行ったという例は少なくありません。双子は生まれてからも経済的な負担があるとわかっていても、0か2かと聞かれれば、どんな親でも「2」を取ります。

実際に不妊治療をおこなって、妊娠出産に至った人の多くは、「今年ダメだったら止める、と決めて取り組んだら妊娠できた」と語っています。その場合、最終的な一年で300万円かかったというお話です。

どれほどの負担がかかっても、子どもが生まれてからの喜びには代えがたいものです。それでも、どこかで1つの区切りをつけることも大切です。今不妊治療を行っている皆さん。子どもができた喜びを、分かち合えれことは大切でとても嬉しいことです。

しかし、その逆のこともしっかりと胸に刻んで、夫婦で話し合いを持って計画していきましょう。